「総括」

「ロー生活を総括せよ!!」なる記事をここいらでも書きたいのだなあ、と思っているのだけど、そういえば「総括」て・・・・某編集部的には違う意味で使っていたように思うけれど、昨日から公開の、ベルリン映画祭受賞映画↓
実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』
http://www.wakamatsukoji.org/
あのあさま山荘事件を、連合赤軍側から描いたというこゆいテーマ。しかし音楽はジム・オルークだし主演はARATAだし、これだけで若者の関心を引くでしょう。私は佐々さんの本読んで若干の関心は抱いていましたが。若松監督のインタビューが興味深いので長いですが引用します。http://www.walkerplus.com/movie/report/report5863.html

若松監督はかねてから「あさま山荘という題材だけは、オレが撮らなくてはダメだ」「金があったらすぐにでも撮る」「オレの人生の最後に撮りたいのはこれだ」と周囲に漏らしていた。きっかけは、事件から30年後に公開された原田眞人監督の「突入せよ!『あさま山荘』事件」(2002)を、若松監督が観たことだった。事件当時、警察側の幕僚長だった佐々淳行の原作を映画化。すべてを警察側から捉え、山荘内部は、全く描かなかったこの映画を観て、若松監督は痛切にこの事件の映画化を望んだ。

「モノを表現するっていうことは、国家とか権力側から表現しちゃいけない。タブーなんだよ。芸術家なら、必ず弱者の目から世界を見ないとダメなんです。それをあのバカ監督が(笑)警察の側から事件を撮った。あれを観て僕は本当に腹が立った。あの映画が僕の起爆剤になったんでしょうね。しかも、配給などのスタッフも全部知ってる人たちだった。そんなにお前ら映画で金儲けしたいのか!ってね」

「山荘に立てこもってからの場面で気付いて欲しいのは、立てこもる前と後では全然セリフが違うこと。その前まではガキどもが偉そうに、難しい言葉で革命がどうのこうの言ってるでしょ。でも、あそこに立てこもった5人はさ、本当に人質の泰子さんにも分かりやすく喋るし、大衆がわかる言葉でちゃんと喋ってる。あれが真実ですからね。僕が一番腹が立つのは、国民にマスコミの中継を見せながら、あの時の後藤田警視庁長官がテレビで『こいつらは悪いヤツだ、悪いヤツだ』って浸透させてね、ドーンって山荘に突っ込んだわけです。それ以降、学生運動はすべて失速したでしょ。運動が全部ダメになった。それはこの事件のせいだっていうけど、違うんです。つまり連合赤軍のために運動がダメになったわけじゃないんだよ。すべてのマスコミを使って、そう仕組んだ政治家や警察の方が頭が良かった。そりゃ“総括”(※3)してるのはその前から分ってる。全部分かっててココだ! という所で追い込んでいった。ものすごい膨大なシナリオを全部作ったわけ。間違いなくスパイもいた。それが森恒夫永田洋子(※4)による“総括”に繋がっていったとも言える」

 この映画では、学生運動の始まりから、分裂・統合していった集団、山岳ベースでのリンチ事件、そしてクライマックスの“あさま山荘事件”に至るまでを当事者の側から描いている。
 驚いたことに、5人が立てこもる緊迫したシーンでも、外を取り囲む警官を見せない。これは徹底した原田監督作への皮肉とも感じるのだが。
「予算の都合もあったけど(笑)、警察との撃ち合いをバンバン撮ってもアメリカ映画の変なのになっちゃう。文化庁からは一銭も金もらってないからね。まぁ出してくれなかったんだけど(笑)。僕はエンドロールに“文化庁”って入ってないだけでもすごい自慢できるもん(笑)」

私は佐々氏の本を読んで非常に警察や機動隊員たちの仕事ぶりに感銘を受けたし、犯罪を正当化するような見解には決して与することができないけれど(でないと殉職した機動隊員たちが報われない)、やはりこれは見なければならないのかな、という気がしますね。まあ試験後の話ですが